平成26年-平成30年 文部科学省科学研究費補助金新学術領域研究「細胞競合」

計画研究

腸上皮組織における細胞競合の役割

西田班


研究代表者
西田 栄介
京都大学・教授
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研究概要

 細胞競合の分子機構の解明は多くの研究者によって行われている。しかし、細胞競合の生体内での発生過程や恒常性維持における生理的役割の解明が重要な課題であるにもかかわらず、そのような視点に立った研究は少ない。腸上皮組織において、分化した細胞の中から不要になった細胞が選択され脱落する。このプロセスは、脱落細胞とその周囲の細胞の相互作用によって生じる細胞間の競合ととらえることができ、生体内で生理的に起こる細胞競合現象を解明するのに適したモデルシステムである。しかし、腸上皮組織における細胞競合の分子メカニズム並びに生理的意義については明らかになっていない。そこで本研究は、腸上皮組織への遺伝子導入法を用い、まず腸上皮組織における細胞競合に関与する因子の同定を行う。さらに、その詳細な分子機構を腸管上皮幹細胞培養法及び腸上皮のモデル培養細胞系にて解析する。腸上皮組織の恒常性維持において、栄養状態や老化による変化が大きな影響を与えることが知られている。そこで、解析した細胞競合の分子機構の知見に基づき、栄養状態や老化(時間の変化)が腸上皮組織の恒常性維持機構に及ぼす影響を細胞競合の果たす役割に着目し解析することにより、細胞競合の生体内での役割解明を目指す。