平成26年-平成30年 文部科学省科学研究費補助金新学術領域研究「細胞競合」

公募要項:細胞競合:細胞社会を支える適者生存システム

領域略称名 細胞競合
領域番号 3605
設定期間 平成26年度〜平成30年度
領域代表者 藤田 恭之
所属機関 北海道大学遺伝子病制御研究所

多細胞生命体を構成する細胞社会において、異なる性質を持った細胞間で多彩な「競合」現象が生じることが近年の研究によって明らかになってきた。細胞競合(cell competition)と 名付けられたこの現象が、個体発生における組織構築過程、優良な幹細胞の選別、前がん細胞の排除やがん細胞による正常細胞の排除など、多様な生命プロセス に関わることが示されてきた。しかし、細胞競合の分子機構についてはまだほとんど未解明のまま残されている。また、細胞競合の関与が見逃されている生命現 象や疾患が数多く残されている可能性が高い。そこで本領域では、細胞競合の統合的融合研究拠点を構築し、多角的かつ包括的に細胞競合研究を強力に推進す る。それによって、細胞競合を制御する分子メカニズムの全貌を解明し、それらがどのように多細胞生命体の個体発生や恒常性維持に関わっているのか、またそ の破綻がどのような疾患や病態を引き起こすのかを明らかにする。
 研究目標を達成するため、「計画研究」により重点的に研究を推進するとともに、計画研究と積極的に連携し、様々な細胞競合現象に独自の研究手法で取り組む2年間の研究を公募する。1年間の研究は公募の対象としない。また、研究分担者を置くことはできない。
 公募研究の採択目安件数は、単年度当たり応募額500万円を上限とする研究を15件程度予定している。

現在の研究の単なる延長ではなく、斬新な発想からの細胞競合研究や若手研究者による独創的・挑戦的な課題を期待する。新たな細胞競合動物モデル、先端的実 験技術(イメージング、質量分析など)、病態動物モデル、ヒト疾患研究、物理・数理解析など、計画研究がカバーしていない研究を歓迎する。採択後の研究実 施にあたっては、計画研究と密に連携して研究を推進することができるとともに、領域全体の実験技術や研究リソースを共有する。また、若手研究者を対象とし た国内短期留学の支援など、領域内の新たな人的交流や連携研究を積極的に仲介する場を設ける。

 

(研究項目)
A01細胞競合:細胞社会を支える適者生存システム

Q1
細胞競合についてはこれまで全く研究したこともなく当該分野で実績もないが、応募して採用される可能性はあるか?
A1
これまで細胞競合研究の未経験者にこの分野に興味を持って頂き、研究をはじめて頂くことが、本領域の一つの大きな目的です。応募を御待ちしております。
Q2
細胞競合はこれまでの研究では上皮細胞間で起こる現象が主に報告されてきたが、他のタイプの細胞(間質細胞など)間で起こる競合現象は、領域研究として取り上げないのか?
A2
線維芽細胞など上皮細胞と異なる細胞間でも競合現象が起こることが明らかになりつつあります。上皮細胞以外の細胞についての申請も対象になります。
Q3
細胞間の相互作用には協調と競合があるが、細胞間の協調についてはこの領域班では取り上げないのか?
A3
細胞社会で起こる現象を理解するには細胞間の協調と競合の両者を統合的に調べる必要があります。将来的にはその課題に取り組みたいと思うのですが、今回の公募では競合により重きを置いて課題を採択したいと考えています。
Q4
細胞競合は同種の細胞間で起こる現象だと定義されていると思うが、上皮細胞と間質細胞など異種の細胞間で起こる競合現象は領域での研究対象としないのか?
A4
確かに、異種の細胞間に競合様現象が生じるかは興味深いポイントです。我々が主な研究対象としている同種の細胞間で生じる細胞競合現象と同じ分子メカニズムがそこに関与している可能性も否定はできません。今回の公募では同種の細胞間で生じる競合現象をターゲットとした申請を主に採用する予定ですが、それとのメカニズムの類似点を考慮した異種の細胞間の研究についても選考の対象とします。
Q5
申請内容について留意するべき点は他にないか。
A5

新学術領域では、領域班全体で最大限の研究成果を得ることを大きな目標とします。ですので、バランスの取れた計画研究と公募研究を選定することが重要になってきます。計画研究とオーバーラップすることなく、相補的、相乗的に研究を推進できるような公募研究をより多く採択したいと考えています。応募の際には、その点についても留意して記載して頂ければ幸いです。各計画研究の研究内容については、「計画研究」の項を御参照下さい。